本堂天井画
全体のプランは内陣と外陣に、大きく二つに分けることができます。
内陣
内陣は本堂の上空に位置する天空を意味する「二十八宿」と、「法輪・羯磨」がその主題です。
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- 二十八宿
仏教と星のかかわりは古く、古来より豊作や繁栄、また健康を祈ってきました。その中心は北極星であり、二十八宿であります。
二十八宿とは月が天空を一周する毎日の月の所在を、その所の恒星で言い表したものです。このことから月の宿、即ち一ヵ月を表します。そして、人々の生まれた日の宿をその人の本命宿といいます。 人間は天空の星々と密接な関係があると信じられており、古来より人々はこの星に祈りを捧げてきました。本堂天井にこの星座を描くと言うことは、この本堂における祈りが、天空の神々に通じ、平安な世界を実現せんとのことからです。
また、仏教では「一丈四方の狭い空間で宇宙を観じる」と言いますが、曼荼羅寺本堂と言う限られた空間もまた、宇宙の広さに通じることを意味しています。この曼荼羅空間こそ弘法大師の心の空間ではないかと思います。
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- 法輪・羯磨
釈尊が鹿野園で最初に仏法を説いたことを「初転法輪」といいますが、以降仏教では法輪は法を説くことを意味します、この場合の法は、仏法であり、大師の教えでもあります。
教理からの解釈では、本堂内陣は曼荼羅空間ですが、曼荼羅の建立にはまず法輪を描き、羯磨(かつま)はその威力を倍増するものであります。曼荼羅空間に於いて両者は切っても切れない関係にあります。
外陣
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- 連点紋・暈繝の花
外陣には「連点紋」と「暈繝の花」が描かれます。連点紋は三鈷杵を意味し、本堂の結界の役割を担います。暈繝(うんげん)の技法によって描かれた花は、法界の荘厳花でもあります。暈繝の青の色は「天の気」緑は「大地の気」、赤い花は「天と地の気の和合によって生まれる生命の象徴」でもあります。
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- 萬字
四隅には「萬字」が描かれますが、萬字は吉祥萬徳の集まる所であり、右萬字・左萬字で陰陽のエネルギーの渦を表します。
真福寺仏画道場代表 中村涼應 作
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