梵字鏡フォントをLaTeXで利用
TeXでの利用について
準備
マクロ形式の出力をTeXで利用するには文字鏡研究会が提供していたスタイルファイルとTFMフォントが必要です。現在文字鏡研究会は活動を終了していますのでインターネットアーカイヴから入手、インストールしてください。環境設定や使用法についてはWindows、Macなどを参照してください。
mapファイル
上記ファイル群は最新の今昔文字鏡や梵字鏡には完全には対応されていません。しかし、mapファイルで以下のようにtruetypeフォントを直接指定すれば新しいフォントが使えます。
mojikm13 H mojikm13.ttf mojikm14 H mojikm14.ttf mojikm15 H mojikm15.ttf mojkvm13 V mojikm13.ttf mojkvm14 V mojikm14.ttf mojkvm15 V mojikm15.ttf
これをファイルに記述し、updmapを使って設定できます。例えば上記を記したファイル名がbonji.mapなら、まずこれを漢字ファイルとして登録するために、管理者権限で
updmap-sys --enable KanjiMap=bonji.map
でbonji.mapがupdmap.cfgに登録され、bonji.mapの内容がシステムのkanjix.mapに追記されます。管理者権限を持てない人は
updmap --enable KanjiMap=bonji.map
で、たぶんユーザーディレクトリ下のkanjix.mapにbonji.mapの内容が追記されます。これで梵字フォントが使える様になりました。違っていたらここのコメント欄で指摘してください。
使用法
上記の設定の元、ソースfoo.texの中で
\usepackage{mojikyo}
すれば以前と変わりなく使用出来ます。コンパイルは
platex foo.tex dvipdfmx foo.dvi
です。
uptexでの使用
変更点
スタイルファイル
mojikyoTeXをuptexでも使えるようにするにはスタイルファイルを変更する必要があります。変更するファイルは
mojikyo.sty jt1mojikyom.fd jy1mojikyom.fd
です。これらのファイルはおそらく
$TEXMF/tex/platex/mojikyo か $TEXMF/ptex/platex/mojikyo
あたりにインストールされていることでしょう。これらの中のJT1とJY1をすべてJT2とJY2に置き換えます。
JT1 -> JT2 JY1 -> JY2
元のものと区別するためにファイル名も変えておきましょう。私は
mojikyo.sty -> umojikyo.sty jt1mojikyom.fd -> jt2mojikyom.fd jy1mojikyom.fd -> jy2mojikyom.fd
としました。.fdファイルの中のファイル名を表す部分のjt1、jy1もjt2、jy2に変えます。
TFMファイル
Unicodeに対応させるTFMファイルは単に元のファイルをコピーするだけです。とりあえず梵字だけでいいので
$TEXMF/fonts/tfm/mojikyo/jfm
にある
mojikm13.tfm mojikm14.tfm mojikm15.tfm mojkvm13.tfm mojkvm14.tfm mojkvm15.tfm
を
umojikm13.tfm umojikm14.tfm umojikm15.tfm umojkvm13.tfm umojkvm14.tfm umojkvm15.tfm
という名前で複製します。
mapファイル
つぎにmapファイルもUnicodeに対応させるべく以下を追加します。
umojikm13 UniJIS-UTF16-H mojikm13.ttf umojikm14 UniJIS-UTF16-H mojikm14.ttf umojikm15 UniJIS-UTF16-H mojikm15.ttf umojkvm13 UniJIS-UTF16-V mojikm13.ttf umojkvm14 UniJIS-UTF16-V mojikm14.ttf umojkvm15 UniJIS-UTF16-V mojikm15.ttf
使用するcmapファイルは恐らくUniJISで始まるものならば使えるのではないでしょうか。とりあえず最初に試したものでうまくいったのでここに記しておきます。
使用法
上記の設定の下、UTF-8で書いたソースfoo.texの中で
\usepackage{umojikyo}
コンパイルは
uplatex foo.tex (up)dvipdfmx foo.dvi
です。
梵字変換スタイルファイル siddham.sty
\usepackage{siddham}
- 1文字1マクロになっています。公開物は、よく使うと思われるもの以外はコメントになっています。もし変換できないときはsiddham.styの中の相当する行のコメントを外してください。
- ローマ字表記したときTeXの予約語と重複する字は最後にYをつけるようにしました。 例)\mu→\muY。
- 母音単体を表すのに母音に続いてQをつける。 例)\a→\aQ、\R→\RQ
- 同音異体字の割当法はまだ固まってないですが、梵字のローマ字表記に使用しないf,q等を利用しています。もっとうまいやり方があれば教えてください。 例)\Naの異体字→\Nfa、\Nqa
- 仰月点を表すのにCを使う。例)\vaMC
- 刷毛字体を表すのにBを使う。例)\aB、\naB
- 梵字鏡に含まれてない字はgraphicxパッケージを利用して合成しました。ただし、縦書き用のみ。したがって、graphicx.styが必要です。
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
- 梵字鏡フォントは全角漢字と並べたとき若干小さめに作られているので1サイズ拡大しています。
- 不具合要望等ありましたらここのコメント欄へ
サンプル
- SRC : siddham.tex このファイルのtextをそのまま「LaTeXを使ってみよう」ページに貼り付けてPDFを作ることができます。
- PDF : siddham.pdf
行法次第サンプル
- PDF : sample.pdf
コメント
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