新しいluaLaTeXと梵字フォント
TeXLive がバージョンアップされ luaLaTeX に harfbuzz が取り込まれた。
これによってopentype feature が十分に機能するようになり梵字フォントの合字も正しく表示されるようになった。ただし、TeXLive2020 の luaLaTeX ver.1.12 にはまだ縦方向の寸法処理に欠陥がある。
ユニコードの悉曇領域に対応した Google の NotoSansSiddham-Regular.otf の文字を出力してみる。
例えば以下のソースを lualatex と xelatex でコンパイルすると下図のように出力される。
\documentclass{article} \usepackage{fontspec} \newfontfamily\sidd[Script=Siddham,Renderer=HarfBuzz]{Noto Sans Siddham Regular} \begin{document} \fboxsep=0pt \fbox{\sidd \Uchar71080\Uchar71103\Uchar71060\Uchar71103\Uchar71054\Uchar71099} \end{document}
左図が lualatex 、右図が xelatex の結果である。
その処理系が文字と認識している領域は box で囲まれている部分である。
つまり lualatex は文字の高さを正しく測れていない。
w32tex で luaLaTeX の開発バージョン ver.1.13 を試してみるとこの問題は 修正されている。
そこでは、新しいプリミティブ \glyphdimensionsmode により offset の取り方を変えられるようになっていて、\glyphdimensionsmode=1
または \glyphdimensionsmode=2
とすれば良い。
TeXLive でこれを使うには来年の TeXLive2021 まで待たなければいけないかもしれない。
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